大人になってからは特に友人関係は「無理をしない」ことを念頭に置いている。
価値観や境遇の違う相手と付き合っても、お互いのストレスになったり嫉妬したり、いい関係性が生まれないと気付いたから。
そうすると、だんだんと付き合う人間が減り、もともと少ない友達がさらに少なくなった。
アラフォーともなると、既婚か未婚か、親の介護があるかないか、子供が問題を抱えてないかどうかなど、
色々な境遇の違いが出てくる。
特に女性の場合、自分の問題と言うより家族の問題とか、自分を取り巻く周囲に翻弄されているケースが多い。
そんなときに友人と会ってランチをすると、めちゃくちゃ疲れてしまうことも。
それと言うのも、相手と自分の境遇が違うかもしれないときは、会話の内容にかなり気を遣うから。
会っている間も気を使っているのに、帰り道にすら「あの発言はまずかったかな。違う意味で受け取られてしまったかもしれないな」と気にしながら帰る。
「えー。私は友達と会うと楽しい気持ちしかないけどな」という人は、友達付き合いを楽しめばいいんだと思う。
そういう人にとってはコスパがかからない、素晴らしいモノなんだと思う。
でもたいていの人にとって、友達とは境遇の違いに落ち込んだり嫉妬して楽しい時間を共有できなかったりすることの方が多い。
それに加えて、
大人になってからも友達関係を持続させようとすると、連絡を取ったり会ったりという、能動的な行動が必要になる。
マメに連絡を取って会っていないと、気づいたら1年間1度も会ってなかったという事態に陥る。
そうすると、もういいかなという気にもなってくるし、今更連絡するのもな・・・という気になってくる。
それでも、20代のときは友達の結婚式で再会して、そこからまた友人関係が復活することもあった。
でも、アラフォーとなると、そんな場面はほとんどない。
友達関係を持続するために手間や時間といったコストを割いたとしても、相手の話に共感できる点が少なくなって、こちらの話にも、昔のようには共感されなくなる。
つまり、昔のような満足感が得られなくなる。
立場が違えば悩みも困っていることも異なるから、当然ではあるけれど、それを悲しいと思うのなら、その人にとって友達関係はコスパが悪いのだと思う。
アラフォーで家族がいて、子供がいて、生活できるだけのお金があって、たまに趣味を楽しんで、
それでもなお、友達が少ない自分を悩むのはなぜなのか考えてみると、
それはひとえに、ただの思い込みなんだと思う。
「ともだち百人できるかな」の歌で始まった小学校生活で、友達が多い人が偉いみたいな価値観を植え付けられた結果なのかもしれない。
なんだか、本能的な部分で友達がいた方がよいという考えを持っている。
友達がいないと老後困るんじゃないかと将来が心配になってくる。
つまり、今は友達がいなくて困っている場面は少ないのだけど、まだ起こってもない未来を想像して漠然と不安に思っているのだ。
デジタルがなかった昔の時代ならまだしも、今はお金さえ払えばたいていのことは一人で楽しめる。
むしろ仕事だ家事だ子育てだって忙しい日々のなかでは、
友達と会う時間を仕事の勉強に使ったり、趣味を楽しんだり、健康のために運動したりする方が満足度が高くなることの方が多い。
ストレスの9割は人間関係から生まれるというし、友達というのは無理に作らなくてもよいんだと自分を納得させている。